2024年4月から小児科常勤医として赴任いたしました。
大磯の子ども達の健やかな成長に貢献できるよう努力してまいります。
これまで当院の小児科体制は月、水、金の午前の外来のみでしたが、今年度からは平日の午前および午後診療も行い、土曜日も偶数週の午前に診療を行います。
乳児から中学生までを対象に風邪から長引く熱、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、学校健診の精密検査など幅広く対応します。
入院が必要な際には大変恐縮ですが、入院可能な施設へご紹介させて頂きます。
今後、当院で入院の受け入れが可能になり次第入院診療も行っていきます。
また新たにワクチン外来を開始しました。
病気にかかることを未然に防ぐために有効な手段であるため、ぜひ接種にいらしてください。
【ワクチンについて】
ワクチンは病原体そのものや病原体が出す毒素を弱めたりなくしたりしたもので、接種することで体に免疫をつけることができます。
免疫ができることによって、感染の確率を大きく減らすことができます。また仮に感染してしまったとしても、症状のある期間が短くなったり、重症化を防いだりする効果も期待できることがわかっています。
定期ワクチン
5種混合ワクチン
標準接種は2か月からになります。2024年度から接種可能となりました。従来の4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)にヒブワクチンが追加されました。聞きなれない病気が並んでいると思いますが、どれも感染すると命にかかわることがあるので必ず接種をしてください。
肺炎球菌ワクチン
標準接種は2か月からになります。2024年度からカバーできる菌の型が増えたワクチンが導入されました。全身性の重篤な肺炎球菌感染症をより予防できるようになりました。
ロタウイルスワクチン
標準接種は2か月からになります。ワクチンの特性上、生後14週6日までに開始する必要があります。ロタウイルス胃腸炎の予防となります。乳児に感染すると重症化するので予防が有効です。唯一の飲むワクチンとなります。
B型肝炎ワクチン
標準接種は2か月からになります。B型肝炎は感染しても症状がでるのは肝硬変や急性肝炎など重い病態になってからです。様々な感染機会の可能性があるので、乳児期からの予防が重要です。
BCG
標準接種は5か月~8か月頃です。結核のワクチンになります。いわゆるハンコ注射です。
MRワクチン
標準接種は1歳と就学前です。はしかと風疹のワクチンになります。はしか、風疹ともに時折流行がみられ、特にはしかは空気感染で感染力が強く、感染を防ぐために幼児期の接種が重要です。
水痘ワクチン
標準接種は1歳からになります。いわゆる水ぼうそうのワクチンです。感染力が強く、空気感染します。ワクチン接種をすることにより感染しても症状をかなり軽くできます。
日本脳炎ワクチン
標準接種は3歳からになります。ウイルスを持っている豚を刺した蚊に刺されると感染します。発症すると脳炎をきたすため予防が重要です。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)
当院の婦人科で接種を行っております。こちら
任意ワクチン
おたふくかぜワクチン
標準接種は1歳からになります。おたふくかぜは感染すると髄膜炎や難聴を合併したり、精巣炎や卵巣炎を引き起こして不妊の原因となります。任意接種でありますが、1歳時に他のワクチンとの同時接種をお勧めします。
インフルエンザワクチン
毎年の秋に接種します。年ごとに流行する型が違うので毎年接種する必要があります。流行前の早めの接種が望ましいです。
【8~10か月健診】
一般的に公的な健診は生後4か月、1歳半、3歳健診が設けられております。
4か月から1歳半の間は間隔が長く、この間は発達が大きく伸びる時期となっています。
8-10か月頃は発達を評価するのに適した月齢のため、健診で気になるところはないかcheckすることは大切です。
具体的な発達の目安として、運動としてはお座りができ、つかまり立ちをするようになります。言語発達では喃語(なんご)があり、パパ、ママとお話するお子さんもいます。社会性としては意思表示をするようになり、欲しいものに手を伸ばしたり、母親以外の他人に抱っこされるのを嫌がるといった様子がみられるようになります。
身体診察も発達の評価とともに行います。必要であれば適切な医療機関への紹介状をお渡ししたり、保健センターの保健師へ連絡させて頂きます。
また気になることがあれば、健診時にお尋ねください。