ご挨拶

2025年4月から湘南大磯病院の総合内科部長として、東海大学総合診療学系（健康管理学領域）より出向しました馬場彰泰と申します。最近注目されつつある総合診療は、病気の治療だけでなく、患者さまの健康全体を幅広く診る医療です。地域の皆様にとって、安心して頼れる「かかりつけ医」のような存在を目指しています。スタッフ一同、皆さまの健康を全力でサポートいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

診療方針

診療理念：命を大切に、心ある医療を

「生命だけは平等だ」という理念のもと、私たちは患者さま一人ひとりに寄り添い、「心ある良医」として、皆さまに笑顔を届けられるよう努力いたします。

診察では、以下の三つの「診」を大切にしています。

望診（お顔を拝見することから始まります）

診察室に入られた瞬間から、患者さまの様子を丁寧に拝見しています。時に、コンピュータのデータよりも大切な情報が得られることがあります。診察室に入る前の待合室や、病院に来てからのご様子からも、多くのことを感じ取ります。

問診（ご家族のお話も大切にします）

普段は病気と関係ないと思われるようなお話の中に、重大な病気のヒントが隠されていることがあります。ご家族の病歴やこれまでの病歴を詳しくお伺いすることで、早期発見や適切な予防につなげることが可能です。

聴診（聴診器は必ず使います）

身体全体を診ることは、正確な診断に不可欠です。微かな心臓の音や肺の音から、重大な病気を発見できることもあります。AIを搭載した「超聴診器」も登場していますが、患者さまの声を直接聞き、身体に触れることを何よりも大切にしています。

診療内容

総合内科の役割

総合内科は、患者さまの全身を総合的に診察し、適切な診療科へつなぐ「病気の窓口」です。

複数の症状でお悩みの場合

「原因不明の倦怠感や微熱が続く」「複数の症状が重なり、どこを受診すれば良いか分からない」といったお悩みはありませんか？

当科では、丁寧な問診と身体診察を通じて、複数の疾患を鑑別しながら、原因を総合的に探ります。また、適切な診断を下した上で、必要に応じて専門の医師にご紹介し、最新かつ最善の医療を受けていただくためのサポートを行います。単に病気を治療するだけでなく、患者さまの精神的な不安や、ご家族の皆さまを含めた包括的な支援を目指しています。

複数の病気や薬を管理されている場合

複数の病気を抱え、多くの診療科に通院している患者さまにとって、日々の健康管理は大変な負担となりがちです。

当科では、複数の病気や薬を一元的に管理し、患者さまのライフスタイルに合わせた治療計画を提案いたします。「この症状はどの科に相談すべきか？」といったお悩みから、「手術が必要かどうか」といったセカンドオピニオンまで、患者さまに寄り添い、安心できるアドバイスを提供いたします。皆さまの健康をトータルでサポートできる「かかりつけ医」として、尽力してまいります。

診療実績（入院診療）

2025年4月から総合内科での入院診療を開始いたしました。現在は私ひとりの体制で対応しておりますが、これまでにご退院・転院された患者さまの診療実績をご紹介します（2025年8月20日現在）。

総数： 51名

平均年齢： 75歳（24歳〜96歳）

性別： 男性18名、女性33名

平均入院日数： 11日間

 【主な入院理由と診断】

感染症（発熱など）： 13名（25％）

・肺炎6名、菌血症4名

電解質異常： 10名（20％）

・心不全5名、SIADHなど3名

胃腸炎： 7名（14％）

がん： 6名（12％）

・新規診断4名

頭痛・めまい： 4名（8％）

・脳梗塞1名

新型コロナウイルス感染症・後遺症： 3名（6％）

老衰（食欲不振・介護困難など）： 2名（4％）

その他： 6名

・熱中症、喘息、じんましん、むくみ、倦怠感、心肺停止蘇生

総合内科では、このように多岐にわたる病気に対応しております。安心してご相談ください。