肝胆膵外科と聞いて、馴染みの少ない方もいらっしゃるかと思いますが、主に肝臓・胆道・膵臓に関する外科治療を行います。この領域にできた悪性腫瘍の手術は、胃や大腸などの管腔臓器と異なり、単純に臓器だけの切除が難しい場合も多く、手術方法・使用する器具が異なるという特徴があります。
例えば、胆汁の流れ道にできる胆管癌でご説明しますと、肝臓で作られた胆汁が胆管を通って膵内部(膵頭部)を通過し、十二指腸に流出しますが、胆管癌の場合、肝に近い場所でできた場合は肝合併切除が必要となり、膵に近い場所でできれば膵合併切除が必要となるのです(下図)。
そのため、一般的にこの領域の手術時間は長い傾向がありますが、熟練したスタッフが担当し、安全に治療を行いますのでご安心下さい。
また、肝臓癌の手術治療である肝切除について、従来は腫瘍の大きさに関わらず、腹部に大きな創を入れ、手術を行うことが標準でしたが、腹腔鏡手術の発展により、比較的小さなものであれば、腹腔鏡で切除が可能です。これにより、従来2週間程度は必要であった入院期間が1週間程度まで短縮することが可能となりました。
膵癌も同様に、以前は開腹手術が主流でしたが、現在では進行していない膵癌に対しては、腹腔鏡での手術が可能となりました。
当科では、安全な手術、病気の根治、可能な限りの低侵襲を3本柱として診療を行ってまいります。肝胆膵外科を専門とする医師が3名おりますので、お気軽にご相談ください。