治療方法

軽症~中等症の治療として、お勧めします。

耳鼻科手術

手術やレーザーなどで喉を広げて、睡眠時も喉の狭窄が起きにくくする方法です。診断までは当科で行い、その後に耳鼻科にご紹介いたします。 

歯科装具(スリープ・スプリント)

入れ歯のような形をした上下の歯で噛むマウスピースを睡眠中に装着し、舌がついている下顎を上顎に固定して、睡眠中も舌が奥へ落ち込みにくくするものです。歯科で作成しますが、健康保険を使って作成するためには診断に関する紹介状が必要となります。

ナステントというものを教えてもらいました

ナステントは片鼻の穴に喉まで挿入するシリコンチューブで、舌が緩んで喉に落ち込んでも空気が通る道を確保するものです。健康保険の適用でないために比較的値段が高く(1本600円)、使い捨てです。理論的には有効であり、有効とのデータも報告されているので、ご希望があれば購入に必要な書類を発行することはできます(診断がついていることが前提です)

簡易検査(携帯装置)とはなんですか?

小型の装置を自宅で一晩装着します。下図のように鼻(呼吸)と指(血液中酸素濃度と脈拍)にセンサーを装着します。装置が空いていれば、当日貸出(翌朝返却)ができます。

簡易装置の概要

装置自体は携帯電話程度の大きさですが、センサーなどを含めてハンドバッグ位の袋に入っています。

簡易検査の記録例

睡眠時無呼吸症候群では、一晩中無呼吸を繰り返す重症の方もいますが、さほど重症でない方では無呼吸を繰り返す時間帯と普通の呼吸を繰り返す時間帯が交互にあります。

同一人物の無呼吸頻発反復時(左図)と普通の呼吸(右図)の記録を比較してみましょう。これは簡易検査の記録ですが、かなり正確に分かるものです。

一番上の紫色の帯が呼吸の様子です。右の図では幅が一定なのに、左図では断続した帯となっており、この帯の数十秒間途切れた部分がすべて無呼吸です。途切れていない部分をよくみると右図も左図も一本の帯ではなく、小さな波(ぎざぎざ)から構成されています。これが一つ一つの呼吸です。左図を見直すと、数回大きな呼吸をした後に数十秒の無呼吸が起きていることが分かります。

呼吸が止まらない時には、血液の酸素量(青線)は97から全く動きませんが(右図)、無呼吸で呼吸が繰り返し停止すると酸素も繰り返し低下しています(左図)。ときには、橙色の安全境界線を下回って、一時的に酸欠(呼吸不全)状態となっています。

酸素の低下時には、脈拍(緑線)が上がっており、無呼吸は心臓にも強い影響があることがわかります。

無呼吸時には、普通呼吸では目立たなかったいびき(茶色線)が強くなり、呼吸が止まるごとにいびきも消えています。

 

ポリソノムグラフとは何ですか?

1泊して行う本格的検査です。
頭から足までに20~30個のセンサーをつけて、睡眠の深さなども測定します。

湘南大磯病院は入院ポリソムノグラフ検査には対応していません、

入院検査が必要な方は湘南藤沢徳洲会病院ないし、近隣の可能な施設をご紹介します。

状況によっては、在宅ポリソムノグラフをお勧めすることがあります。

ポリソムノグラフ検査のセンサー装着状態(下図)

貼り付けた電極が睡眠中に寝がえりなどで外れないように、頭に網包帯をかけています。

主なセンサー類
脳波 睡眠状態の記録
心電図 不整脈出現の有無を記録(不整脈の診断用ではありません)
胸・腹バンド 無呼吸の種類の判定
指センサー 酸素低下の記録
口・鼻電極 呼吸停止の記録
胸センサー 体の向きを記録
脚センサー 足の動きを記録
在宅ポリソムノグラフとはどんなものですか

センサーを必要最低限減らした装置を、検査会社からご自宅にお送りして、ご自分で装着後に返送していただく方法です。入院検査と比べて精度は低くなり、検査申し込みから結果説明の時間も1か月程度となりますが、費用はかなり安くなります。