高齢者の睡眠時無呼吸症候群

高齢になって睡眠時無呼吸の治療を開始する方の理由は何でしょうか

夜間の苦しさ、認知症防止、健康長寿、朝方の頭痛などさまざまです。

85歳です、若い頃から無呼吸がありましたが、眠くはありません。

酸欠や数十秒間の呼吸停止が体に良いはずはありませんが、80歳以上の睡眠時無呼吸治療のメリットを証明した研究は今のところありません。この年代は他の疾患の合併が多いので正確な判断が難しいのだと思われます。したがって、症状のない高齢者は症状とご自分の考え方にしたがって受診を決めて下さい。

治療している人の中に90歳以上の人はいます

います。まず、80代でCPAPを始めた方で10年以上継続している方は既に90歳代になっています。

90歳以上でCPAPを始める方はいますか

はい、90代半ばで夜間の苦しさを訴えてCPAPを開始した方は安眠ができると喜んでおいでです。

睡眠時無呼吸にかかると認知症になると聞きました

はい、睡眠時無呼吸による脳の酸欠は認知能力の低下をきたすことが知られています。

その認知症は治療で回復するのでしょうか

罹患以前の状態に戻るかは不明ですが、改善はあるとされています。

夜間のトイレ回数が多くて安眠できません、泌尿器科にはかかっています。

高齢者男性では、前立腺肥大などのために夜間頻尿は珍しくありませんが、睡眠時無呼吸もまた夜間頻尿の原因となるので、無呼吸の検査を行った方がよいでしょう。

夫は認知症で治療中です。無呼吸もありますが、これを治療するメリットはありますか。

認知症が氷解するほどの効果は期待できませんが、改善効果は証明されているので、担当医の先生に一度ご相談下さい。

居眠りをすることが多くなりました。いびきもかいています。

高齢者では睡眠の質が悪くなることは避けられないので、居眠りが睡眠時無呼吸に直結することはありませんが、自宅で行う睡眠時無呼吸の簡易検査はしてみると良いと思います。