閉塞型睡眠時無呼吸症候群とは

どんな自覚症状があるのですか?

いびき、日中の眠気などがあります。日中の眠さは、仕事の能率低下や居眠り運転の原因となり不都合であるばかりか大変危険です。重症の睡眠時無呼吸と知りつつ自動車の運転を行って、交通事故を起こした場合は責任を問われる可能性がありますのでご注意ください(自動車運転の項目も参照して下さい)。

薬で治療はできませんか?

残念ですが、内服薬の効果はあまり期待できません。

治療で完治しますか?

体重の減量や飲酒の制限、禁煙、睡眠薬・精神安定剤の減量などによってある程度の改善は見込めます。減量は特に有効ですが、最低でも数kgは減らす必要があります。
現在のところ、最も有効な治療法は対症療法(無呼吸を取るための治療)としてのCPAP(シーパップ)療法であり、根本的治療法と言われる方法は見つかっていません。

すると、CPAP(シーパップ)治療は一生必要ですか

CPAPを近視の眼鏡にたとえると分かりやすいと思います。眼鏡をかければ見える風景も、外してしまえば見えに難くなります。また、眼鏡を今かけている人は恐らく一生かけているでしょう。

見た目で睡眠時無呼吸とわかりますか

肥満や小さな顎は閉塞型睡眠時無呼吸の要素です。鼾や鼻づまりのある方も要注意と言えます。

どの程度の体重を肥満と呼びますか

肥満度は 体重(kg) ÷ (身長(m) × 身長(m))で計算されます。この数字が25以上が肥満のめやすです。

遺伝しますか?

遺伝などについてはよく分かっていませんが、閉塞型睡眠時無呼吸に関係が深い顎の形や体型は、親子で似ていることが多いので、親が睡眠時無呼吸症候群ならば、子に発症する可能性は高いと推定されます。

女性の睡眠時無呼吸は少ないと聞きましたが

男性と較べて女性の睡眠時無呼吸の人は20分の1程度とかなり少ないのですが、更年期以降は急増します(女性の睡眠時無呼吸症候群の項目も参考にして下さい)。

睡眠時無呼吸で注意しなければならない病気はありますか?

睡眠時無呼吸は脳卒中や心筋梗塞の重要な原因とされています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)との合併は前に書きました。薬が効きにくい高血圧や不整脈とも関係があります。パーキンソン症候群は脳の呼吸を司る部位付近の障害が起きるので、睡眠時無呼吸の合併には注意が必要です。この他に喘息やてんかん、うつ病などと、誤って診断されていた睡眠時無呼吸もまれにはあります。

治療にはどの位のお金がかかりますか?

健康保険の3割負担と仮定して、初診料などは除いて概算すると。簡易検査は3千円程度、一泊入院検査は検査内容と病院/医院の計算方法などで異なりますが3~10万円程度(多くは3~6万円)、在宅精密検査は約1万円、CPAP治療は毎月5千円程度です。